人類は……ダメなのか?

子供の頃… 何かのニュース或いはTV放映の映画(自宅だったので…)を見た後、
「なんで、戦争は無くならないの?」
と、聞いた私に、父が言った。

「世界中から戦争を無くすのに、一番簡単な方法は、宇宙人が攻めて来る事だ」

と…。

その頃は、よくわからなかったが、今なら、その時父が何を言おうとしたか分かる。

「地球外のモノ」という共通の敵が出来た時、初めて「地球」は1つになれる。「地球人」が「地球外」の敵と戦う為に一丸となる事が出来る…という事だろう。

しかし、今のところ、地球侵略・攻撃を狙うような宇宙生物は存在しない(或いは、昔読んだ本の中に「地球まで航行出来るほどの文明・科学力を持っているならば、未知の惑星の生物と戦争をするような野蛮な行為はしない。または、戦争するまでもなく人類を一掃してしまうだろうから、『宇宙戦争』は起こらない」という説があった)ので、神…というか、自然の摂理…というか、大いなる運命の力…とでもいうか… まぁ、なんでも良いのだが、そうした何者かが、新型コロナ・ウィルスという「人類共通の敵」を私達に突き付けたのではないか?

今回の世界的な騒動が始まった頃、そんな事を考えた。

……が、しかし!

「〇〇国が悪い!」「××国の陰謀だ!」等々、責任のなすりつけ合いをする国有り、世界中がウィルス対策に汲々としている中ミサイルを打ち上げる国有り…

そうかと思えば、「一丸となる」事をはき違えているのか、歴史に何も学んでいないのか、「マスクをせずに外に出るのはけしからん!」とか「公園にも出るな、家に籠っていろ!」等々、某国の「となり組」的正義を振りかざして他人を非難する人々が増えたり、…かと思えば、この「危機」に乗じて新たな詐欺が横行したり(この対応の速さは、是非とも各国の偉い方々に学んで欲しいところだが)…

結局、「共通の敵」を前にしても、地球・全人類が一丸とはならない事が露呈してしまった…と、大人になった私は、亡き父につぶやく。

9.11以前と以後、3・11以前と以後…と、ここ数年で、世界は哀しく辛い「節目」を経験してきているが、今回の事も、間違いなく「新型コロナ以前と以後」という形で、後世語られる事だろう。

この「難局」が、どのような形で収束…というか、着地するのかは、まだ不明だが、「その後」の世界が、「それ以前」の世界よりも良くなっているとは思えない(勿論、今回のような不測の事態に対する対策や準備は、以前よりはされるだろうが、このままだと、掛け替えのない文化や技術が衰退するまたは失われる可能性が高いし、自国・他国含めて「為政者」への信頼感は、急下降… ひょっとしたら文字通り「地に落ち」ているのではないか)のは、私だけではないと思う。

それでも、自作のマスクを提供し合う人々や、第一線で戦っている(もはや戦時下用語が普通に使われている)医療や介護の現場で働く人々、その方達への感謝や応援エールを送る人々、まさに具体的に逼迫している所に金銭援助を行う(昔の良識あるお大臣様のような)世界的長者の方々が居る事に、「人間まだまだ捨てたもんじゃない!」的な希望は有るけれど…

絶体絶命… 世界が闇にまさに飲み込まれんとするその時に… 小さな希望の光がみるみる広がって、世界の夜明けが希望の光に満ちる…… というような、私の好きなファンタジー小説のような、そんな事が、現実に…… 起こる…… かなぁ~~?

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コメント

  1. 佐藤敬子 より:

    朝麻陽子様お元気ですか?佐藤敬子と申します。
    瞼の母にお出で頂きとても嬉しかったです。有難うございました。
    コロナで色々な公演が全部中止になり生活にハリが無くなってしまいました。
    早く元に戻り朝麻さんの朗読も聞きに行きたいです。
    じつは私も宗家藤間流を習っていました!今では夢のようですが…
    お会いした時そんな話もしてみたいと勝手に思っています。
    公演が出来るようになったらぜひまたご連絡をお待ちしています。

  2. gipsy1204 より:

    コメントありがとうございます。
    やはり予想通りの期間延長となりましたねぇ。(溜息)
    私の方も公演も各種勉強会も筋トレジムもすべて中止・休会・閉鎖… です。
    基本的に「引き籠り」大好きなので、それはそれで楽しく日々を過ごしているのですが、このダラダラ感というかマッタリ感にどっぷり浸かってしまっている自分に危機感を覚えています。(笑)
    またお会い出来る日を楽しみに…
    その為にも、お互い心身共に健康・元気でいましょう!