「インターセックス」読了!

今日から9月! ですと!
いやぁ、今年ももう3分の2、終っちゃったってぇ事ですねぇ。

ひょんな事から手にした帚木蓬生の「インターセックス」、昨日ようやく読了。
本当はもっとガンガン読み進めたかったのですが、なかなか時間がとれず、2週間を超えてしまいました。

この本に出合えた「ひょんなきっかけ」に感謝!

主筋そのものも勿論面白いのですが、それよりもむしろタイトルとなっているインターセックスについての諸々がいちいち目から鱗で、堅苦しい言い方になるが、ものすごく「勉強になった」という感がある。

ヒロイン(ヒーロー? つまりこういうところにも既に性で二分した言い方しかないのはイカン! という事なんだろうな)が、「人として」めちゃくちゃカッコイイ!
そしてヒールもまた… いや確かに「悪」には間違いない(4人もの殺人犯)し、作中の言葉を使えば「モンスター」ではあるのだが、しかし、これまた本人の言葉を借りれば「モンスターになり切れなかった」哀しさが胸に迫って来るし、それでもこのヒールが残したものの価値の素晴らしさ・大きさを思うと、その意味ではこちらもまたヒーローなのかもしれないとさえ感じてしまう。
いや、冷静に考えれば「そんな幕引きは狡いだろう!」と、リアル世界だったら、通常私は思うんだろうが… これはまぁ、小説だからこその感じ方なのかもしれない。

ミステリーマニアでもなく、刑事ドラマ大好き!程度の私でも、出てきた途端に「これはヒールだな」「この人はひょっとして、最後の砦になってくれる存在なんじゃないか」なんて予想が出来て、それがほぼ的中! ミステリー好き大好物の大どんでん返しなんてぇ事は無いので、その意味では物足りなさを感じる人も居るかもしれないが、おそらく作者も最初からそこに重点を置いてはいないんだろうと思う。
だって、なんせタイトルが「インターセックス」だもの。
ミステリー的要素はあくまでもソースとかスパイスで、あくまでもメイン食材は性差医療の問題・医療は誰の為にどのように行われるべきか又は行わずにおくべきか… そして何より「インターセックス」の問題で、ともかく、そのあたり目から鱗ポロポロなのです。

加えて、終盤のほんのちょっとしたエピソードではあるのだが、「アメリカ人女性がカブールで美容室を開き、タリバンが去ったあと美容学校もつくって美容師を育て…云々」というアフガニスタンの話題が語られ、まさに今、歴史が逆戻りしてしまったようなアフガニスタンの事を思い、暗澹たる気持ちにもなった。

近いうちに帚木蓬生の他の作品も読んでみたいと思う。

…と、それはそれとして…

今日の新潟は雨で、急に気温も下がり、まさに秋の気配。
実は明日、友人と「浴衣でランチ」を予定している(「9月初めならまだ暑いよねッ」と企画した)んだけど… 今日みたいな気温だったら、嘘つき中に着て「綿の単衣」的着方にした方が良さそう。
更に…… 羽織?! えぇッ?!

…と、そんなこんなで、今日も私は元気ですッ!

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